素読(そどく)のススメ

素読のすすめ

 まず「素読」という漢字の読み方を知らない人が増えたようです。「すどく」と読む人も多いようで、音(おん)として耳に馴染みがないことがわかります。

 広辞苑で「素読」と引くと、「文章の意義の理解はさせおいて、まず文字だけを声を立てて読むこと。漢文学習の初歩とされた。「論語を-する」と出てきます。

 「素読」という文字が入った書籍は多くはありませんが、私がお勧めするのは上の新書です。とても内容が濃い本ですが、残念なことに絶版です。(是非図書館でご覧ください。)その書籍案内の文章を引用させていただきますと、福沢諭吉、鴎外・漱石をはじめ、明治の偉人たちは、漢文の素読を土台に早くから外国語を身につけた。ルソーは恋愛小説を、シュリーマンは『トロヤ戦役』を 父親から読みきかされた。頭で理解せず、音の響きとリズムそのものを楽しむ音読こそが、外国語のマスターと諸学の基礎であることを、実践教育のなかから指 し示す。。。。」と書いてあります。様々なことを示唆していて、現在の教育の欠陥を補ってくれる気さえします。

「素読のすすめ」安達忠夫著

  • 出版社: 講談社 (1986/12)
  • ISBN-13: 978-4061488397

 「素読」は脳を活性化させ記憶力を鍛えるとも言われていますが、何よりも感性、表現力、思考力が鍛えられるのではないでしょうか。

 2年前に寒い中、「足利学校」の「素読塾」に参加したことがあります。是非サイトで日本最古の学校である「足利学校」の「素読塾」を検索なさってみてください。

史跡足利学校論語素読運営委員会」

 論語素読の集い、小中学生の論語素読体験、日曜論語素読体験など、それぞれの先生方のリードによって論語素読を行います。

http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/ashikagagakko/meibo-rongosodoku.html

足利学校